大分県が取り組む結婚応援プロジェクト「OITAえんむす部」 大分銀行も婚活パーティーを主催

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(写真=PIXTA)

全国的に人口減少と少子高齢化が進む現在、各都道府県の自治体ではさまざまな婚活応援施策を展開しています。その中に、国と自治体、そして地元企業が協力している大分県の「OITAえんむす部(ぶ)」があります。大分県が抱える課題にも触れながら、その取り組みを紹介します。

大分県で進む、急激な人口減少と未婚率の上昇

人口減少と少子高齢化は日本の全国的な課題ですが、大分県も例外ではありません。2015年10月に大分県住んでいる人の分布を人口ピラミッドであらわすと、高齢者が多く子どもが少ないことを表す「つぼ型」をしており、人口の総数自体も年々減少しています。

(大分県ホームページより)

こうした人口減少の原因の一つが、未婚率と初婚年齢の上昇です。2015年の生涯未婚率は男性で21.87%、女性で14.21%にのぼり、35年前と比べて男性は約11.69倍、女性は約3.74倍に増えています(国立社会保障・人口問題研究所『都道府県,性別50歳時未婚割合(生涯未婚率)』より)。

また、男女とも晩婚化の傾向にあり、1980年の平均初婚年齢が男性27.2歳、女性25.0歳だったのに対し、2016年では男性が30.5歳、女性が29.1歳となっています。これに伴って第1子の出産年齢が上がり、1人あたりが生む子どもの人数も少なくなっているのです。

この悪循環を食い止めるためには、最初のステップである結婚への支援が不可欠です。大分県ではこうした発想から、結婚したいと思っている若者にきっかけを与えるための施策を積極的に打ち出すようになりました。

県民の結婚、そしてその後に続く出産や子育てへの希望を実現できれば、出生率(国民希望出生率)を2.0程度にまで高めることも不可能ではないはずです。実際に2016年度の合計特殊出生率(15~49歳の女性の年齢別出生率の合計)は1.65で、2015年度の1.59より0.06も上昇しています。この上昇幅は全国1位の記録となりました。大分県の分析によると、こうして人口減少のカーブを少しずつ緩めることができれば、今世紀末の2100年には増加に転じさせることも夢ではないとしています。

若者の結婚を県民みんなで応援する「OITAえんむす部」の取り組み

大分県ではこうした観点から2015年に、県内の若者たちの結婚の希望を県民みんなで応援するプロジェクト「OITAえんむす部(ぶ)」を発足させました。県と地方銀行、そして地元企業が協力しています。

このプロジェクトは、県内でバーベキューやクルージングを楽しむ出会いイベントが多数開催されています。2016年には大分市にある大分銀行ドームで男女約100名を集めた「恋する大運動会」を行いました。また、相手に好感を持ってもらえるコミュニケーション術からSNSでの振舞い方までを学べる婚活セミナーもあり、出会いを実らせる工夫が凝らされています。

(「恋する大運動会」の様子)

こうした動きは民間の企業にも広がり、大分銀行は2016年、金融機関としては珍しく本格的な婚活パーティーを開催しました。当日は特別ゲストにシンガーソングライターを呼んだり、成約カップルには大分市にあるカフェの食事券を進呈したりと、さまざまなイベントが行われました。

会社でも婚活!「社内婚活サポーター」制度とは

県だけでなく企業も一丸となって婚活支援に取り組む体制ができているのも、大分県ならではの特色です。県が「おおいた婚活コーディネーター」という婚活の専門家を企業に派遣し、婚活支援に取り組む企業に対して「社内婚活サポーター」の設置を呼びかけているのです。企業担当者を集めて、社内婚活サポーター養成講座も開催されています。

(2016年10月に行われた婚活サポーター養成研修の様子)

この社内婚活サポーターは、おおいた婚活コーディネーターからの婚活情報を社内で広報する役割を担い、コーディネーターとともに若手社員向けのライフデザイン講座を実施したり、他企業や異業種間での合同婚活イベントを開催したりします。大分銀行もこの社内婚活サポーターを設置している企業の一つです。

OITAえんむす部では大分県のみならず、九州・山口地域で開催される婚活イベント・婚活セミナー情報を配信する「あかい糸メール」というサービスも展開しています。県境を越えた婚活支援の姿勢が各方面の共感を呼び、取り組みはますます勢いを増しています。

また、九州・山口地域で若い世代に家庭や子どもをもつことの楽しさやすばらしさを広める「結婚・子育てポジティブプロジェクトキャンペーン」を展開しており、YouTubeやテレビ、映画館でのCM放映を行っています。

少子高齢化を食い止める大きな力になるであろう、若者に向けた婚活支援施策は、自治体と企業が一丸となることで、ますます勢いづくでしょう。

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