【妻から見た、家族の地方移住のメリットとデメリット】買い物は?ご近所つき合いは?移住先の暮らし事情

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移住の必須アイテムは免許証

東京から福岡へ移り住んで、次の春で4年目を迎えます。これまでの生活で私が一番困っていること、それは運転ができないことです。地方での暮らしの移動手段は基本的には車で、女性たちも自転車代わりに使っています。そのため、免許を持っていないと家族に頼るか、友人に頼るか、あるいは交通機関を使うしかありません。とはいってもバスの本数は少ないので、急ぎの外出はほぼできなくなり、都心で暮らしていた時よりも計画的に動くようになりました。

自分の意志で、自分の足で移動できないことに、やはり不自由さを感じます。例えば、夫と喧嘩をした時、子どもが急に熱が出た時、パッと家を出ることができないのは、正直不便さも息苦しさも感じます。なので、地方で暮らすためには免許は必須アイテムだと言えるかもしれませんね。

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程よい距離感のご近所付き合い

私たち家族は、引越してすぐに住んでいる町の「組」というものに所属しました。「組」は東京で言う町内会のようなもので、近くに住む約20世帯がひとまとまりになり、メンバーで一年に一度お花見をしたり、神社や周辺の清掃活動、ゴミの回収当番をします。

距離感は、付かず離れずの程よい感じ。過度に干渉されるわけではなく、かといって無干渉でもなく。子どもたちの成長を見守ってくれ「大きくなったねえ」と抱っこをしてくれたり、散歩中にばったり会うと「いってらっしゃい」と声をかけてくれるような関係です。

私が妊娠中の時はこんなこともありました。近所を散歩していたところ、後ろからクラクションが。誰かと思い振り返ると、家の上に住むおじいちゃんの車。「どこ行くと?乗ってきんしゃい!」とひと言。私の家までは急な坂があるため、身体を思ってくれたのか、その後も何度か“ばったりと”車に乗せてもらうことがありました。

組のメンバーは、幼稚園生からおばあちゃんまで、老若男女の友人ができたような気持ちです。東京での暮らしでは得られなかった多様な世代との関わりは、なんでもない日常に心が柔かくなる瞬間を生み出してくれています。

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「私たちの」街のゴミの回収

私の住んでいる町では、不燃ごみ、資源ごみ、ペットボトル等は、週に一度地域のゴミ捨て場に捨てにいかなくてはいけません。月に1度は、地区での回収も行っていて、その当番は「組」の交代制となっています。

不便さは感じますが、当番の時は組の人と顔を合わせ、「最近、イノシシがよく出てね〜」など害獣害虫について情報交換をすることも。コミュニケーションの場として楽しさも感じると同時に、自分たちが町の小さな一部であることも感じます。

町はただ自分たち家族が住む場所ではなく、町と関わり、町の人と共に暮らす場所。「私の」町ではなく、「私たちの」町という気持ちが移住してから芽生えています。

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町のお祭りで味わう、人との一体感

私が住んでいる福津市の津屋崎という町では、毎年7月に津屋崎祇園山笠というお祭りが開かれます。山笠の時期になると、幟(のぼり)が飾られたり、山車の飾り付の準備が近所で始まったりと、町中がそわそわした雰囲気に。お祭り当日は多くの人が集まる町中を山車が駆け回り、活気に溢れます。

このお祭りに参加した夫は「あの一体感はなかなか普段味わえないことだと思う」と話します。町の人とお祭りのように非日常の場面で深く関わり合いもつことは、日常で関わるだけでは得られない絆のようなものも生まれているようです。

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旬の野菜と魚をいただきます!

新鮮な野菜や魚を手に入れることができるのは、地方に住む醍醐味だと感じています。畑から採れたての野菜はみずみずしくて、エネルギーをたっぷりもらうことができ、お値段も都心に比べて安いです。直売所では、旬の野菜と魚が並ぶので季節を感じられます。ただその分、いつも同じ野菜や魚が揃っているわけではなく、天気や気候にも左右されるので、ほしいものを手に入れたいときはスーパーへ行きます。

一番近くのコンビニまでは歩いて30分ほどですが、週末にまとめ買いをしているので私は不便さは感じません。コンビニの店員さんは子どもに声をかけてくれることが多いような気がします。それはスーパーや直売所などでも。「今日は寒いねえ」といって子どもに笑いかけてくれる。なにげない会話ですが、それだけで心があたたまることもあります。

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暮らしと町が地続きで繋がっている暮らし

我が家の長男は赤ちゃんの頃からかなりの人見知りでしたが、移り住んでからは、大きな声で近所の人たちに挨拶ができるようになりました。嬉しそうに「いってきます!」とハイタッチをしている姿を見ると、子どもが成長する場所としてここを選んでよかったと心から思います。

「こんにちは」「この間はどうも~」「歯が抜けたよ!」「俺、図書委員になりたいんや」「ムカデには気をつけちゃんさい」「こっちに慣れてきはった?」

家の一歩外へ出ると、老若男女の知り合いや友人たちに遭遇し、言葉を交わします。毎日が一本の映画だとしたならば、これまでの生活では、自分たち家族のみが登場しているような物語でした。しかし今は、これまで「通行人A」だった人に「●●さん」という名前がきちんと付き、多世代の知り合いが賑やかに登場して、物語に奥深さと面白みを加えてくれています。

自分たち家族以外の「生きる」を感じること。家族以外の人たちを想い、想われながら暮らすこと。一昔までは当たり前の風景だったのかもしれませんが、東京の暮らしでは味わうことのなかった感覚。自分と町が地続きで繋がっている暮らしが、今この瞬間も優しく私を包んでくれています。

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PF
 大浦麻衣

「心が柔らかくなる、小さな時間」をコンセプトにするオンラインショップ「よりそう。」の店長。2013年3月に東京から福岡県福津市に移り住み、家族4人で暮らしている。海と山とあたたかな人に囲まれながら、仕事と育児に奮闘中。

 

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