移住者と住民が立ち上げた「かづのclassy」とは

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美しく暮らす人がいる

鹿角市はダイナミックな自然環境が特徴の地域で国立公園十和田八幡平をはじめとして、周囲を山々に囲まれており、温泉資源にも恵まれている。かつては鉱山で栄えたことから、人の往来や都との行き来も古くから盛んで、文化などが伝承されていることも深い。

食べ物もエネルギーも自給できる豊かな土地だが、冬は雪が多く降り、晴天率も低い厳しい自然環境の中で暮らしを営んできた。

だからこそ、暮らしが丁寧なものとなり、年間を通じて食べ物を保存したり、湯治など、自然環境に向き合う工夫をしながら美しく暮らす人が多いのかもしれない。古き良き日本の暮らしが残っていると言ってもいい。

春から秋にかけては山菜やキノコを採りに山に入ったり、集落ごとでお米を育てていたり、寒暖の差を利用した果樹栽培も盛んだ。さらに、美味しい水で作られた日本酒があったりと、口にするものが豊かで美味しいものばかりだ。秋田県のイメージに、お米、お酒、美人などがあるが、そのすべてがそろっている。

素朴な風土と、豊かな自然、個性的な文化があるのも、鉱山発展の裏に、古くからの人の往来、都との行き来により、他の地域から移り住んでいる人がいたからこそ起こった事かもしれない。

現に、造り酒屋のひとつには西の方から移り住んだ方が跡を継いできた、という歴史もある。

このような歴史の中で、地域にいくつもあった鉱山が、全て閉山した後には、急速な人口減少問題に向き合うことになるが、栄枯盛衰のはかなさか、色々な課題に向き合うよりも、課題が山積みとなっていく方が先になっていった。

全国でもこれと同じような事が起きており、鹿角市も例外では無かったのだが、それでも、美しく暮らす人が多いのは、ダイナミックな自然環境が育んだ風土による食の豊かさ、自給することが身近な環境にあることなどが関係していると感じている。

地域の集まりってどんなこと

都会から移住した場合に、地域の集まりが多いことにびっくりする場面が多い。集まりの他には、ご近所の方が玄関のドアを勝手に開けて入ってくる事や、野菜などのおすそ分けなどもあったことだ。

全ての人ではないが、家庭で野菜を作っており、収穫の喜びを分かちあうかのように玄関に置かれている。美しく暮らす人の気持ちのさわやかさを感じる瞬間だが、最初は不安に感じたこともある。

アパート暮らしなどで賃貸物件に住んでいる場合は、ほとんどの人がカギをかけているだろうし、他人の家のドアを開ける事はない。もちろん、野菜が置かれている事もない。

それだけ、都会はご近所づきあいにかける時間が少なくなっておりコミュニケーションの質も低かったと感じる。鹿角では、まったく逆で、朝はお隣やご近所の方との挨拶からはじまり世間話に発展する。会話の中で、いろいろなことを教えてもらったりすることも多い。

都会では、自治会に加入しないで暮らすということが当たり前の環境から、今は当たり前のように自治会に入り、休日に、草刈、ゴミ拾いなどの地域活動に参加しながら、お互いに支え合う暮らしをしている。

自治会活動に参加することで、人とのつながりが広がり、暮らしやすくなることが実際に多い。会費や募金などもあるが、移住者にとって自治会は頼もしい存在となるだろう。

受け皿=かづのclassy(クラッシィ)

例えば移住した際に、自治会活動の紹介や自治会長との引きあわせ、雪国ならではの暮らし方、遊び場所、子育て、買い物など、生活で必要な知識の交換が出来る「場」があれば、人との出会いも活発化し、コミュニティへの浸透が早いと考えた。そこで、移住者が、地域に自然と浸透できるような仕組みと、地域全体で迎えいれるための受け皿として「かづのclassy」を立ち上げた。

かづのclassyは、地域住民と移住者が出会い、交流し、それぞれの立場でのプラットフォームとして、地域の資源などを循環させながら、人と地域をコネクトし、地域課題が解決していくことを目指す。

移住されてきた方同士が定期的に情報交換を行う場としての「移住者ネットワーク」、地域情報や口コミ情報、自身の特技を活かし、移住者をサポートする「移住・定住サポーター」の両組織をコーディネートしている。

行政主導ではなく、民間で立ち上がったというのが味噌で、地域の未来を住民が想像しながら創っていくのが楽しい。

まだ小さなうねりだが、やがて地域の特長となり移住を考えている全ての方の支えとなり、地域の皆様と育てていけるような組織として、未来へつないでいきたい。

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